耳管狭窄症・耳管開放症

Disorders of the Eustachian tube


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耳管狭窄症

耳と鼻の奥とは耳管という管でつながっています。耳管狭窄症は、耳管がつまることにより、耳がつまった感じ(電車に乗ってトンネルに入った時の感じ、高い山に登った時の感じ)、自分の声がひびいて聴こえる、自分の呼吸の音が耳にひびくといった症状が起こります。

滲出性中耳炎と合併して起こることもありますが、耳管狭窄症は大人にも多い病気です。

耳管狭窄症の原因は、風邪に伴う急性鼻炎アレルギー性鼻炎副鼻腔炎上咽頭炎(鼻とのどの間の炎症)など鼻の炎症が多く、耳管狭窄症の患者さんの鼻の奥をみると、粘膜の赤みや、腫れ、鼻汁がみられることがよくあります。鼻の奥に炎症があり、耳管の鼻側の開口部がふさがってしまうと、耳管狭窄症となってしまいます。

ティンパノグラムという検査(耳の外側から鼓膜に圧力をかける検査)で、耳管狭窄症の診断が可能です。大人の耳管狭窄症においては、稀に鼻の奥に腫瘍ができている可能性があるので、内視鏡検査を行ったほうがよいでしょう(ティンパノグラム、内視鏡検査は当院で行っています)。

治療は、耳管開口部の炎症をとるために、鼻汁の吸引や、薬物治療を行います。当院では、上咽頭炎を合併する耳管狭窄症の場合には上咽頭への塩化亜鉛塗布(Bスポット療法)も行います。

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耳管開放症

耳管開放症は、耳と鼻の奥をつなぐ耳管が開きすぎる(必要な時にうまく閉鎖できなくなる)病気です。上記の耳管狭窄症とは逆の現象が起こる病気ですが、症状は耳管狭窄症と似ており、自分の声がひびいて聴こえる、自分の呼吸の音が耳にひびく、耳がつまった感じがするといった症状が起こります。うつむいたり、しゃがむ姿勢をとることによって症状が改善する方が多いようです。季節的には、暑い夏場にこの症状の患者さんが増える傾向にあります。耳管開放症そのものでひどい難聴が起こることはありませんが、自分の声がひびいて聴こえるため、声量の調節が難しい場合もあります。

耳管開放症は大人の女性に多く、体重減少によって耳管周囲の組織がやせることや、顎関節症が原因と考えられています。妊娠、ストレス、末梢循環障害が原因になることもあります。

耳管が開放しすぎると、発声時や呼吸時に鼻から耳に空気が流れ込みすぎ、自分の鼻息で鼓膜がふるえる状態になります。家でゆっくりしていると症状が無いが、体を動かして汗をかくと症状が出るというケースがよくみられます。

耳管開放症は、鼓膜が呼吸や嚥下によってふるえるかどうかの観察、内視鏡での耳管開口部の観察、試験的な通気で耳管に空気が流れ込みすぎないかを確認することで診断されます。

治療は、軽度の耳管開放症には漢方薬(加味帰脾湯など)を処方します。食塩水の点鼻が有効な場合もあります。体重減少や顎関節症が原因と考えられる場合は、原因を取り除くことが必要となります(顎関節症の診断、治療はまずお近くの歯科にご相談ください)。

実際には「1人の患者さんが、耳管狭窄症と耳管開放症を繰り返している」と思われるケースもあります(耳管狭窄症と耳管開放症をまとめて「耳管機能障害」と呼びます)。「うつむいたり、しゃがむ姿勢をとることによって症状が改善する」ときは耳管開放症の可能性が濃厚ですが、当院に耳管開放症の検査機器がないため、精密検査が必要と思われる場合や漢方薬などの治療で改善を認めない場合は、(耳管開放症の精密検査機器があるのは、県内ではおそらく大学病院のみのため)大学病院に紹介状を作成しています。

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