外耳炎・中耳炎

Otitis externa, Otitis media


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耳あか

清潔志向の世の中で、耳そうじを頻繁にする人も多いようです。しかし、耳あかには殺菌作用と外耳道(耳のトンネル)の皮膚を保護する作用があるため、耳そうじのやり過ぎは避けましょう。

耳あかのつまりは、耳そうじをしない人よりも頻繁に耳そうじをする人に多くみられます(耳あかを奥まで押し込んでしまうため)。耳あかは放置していても自然に耳の外に出てくることも多く、耳そうじをする場合も1か月に1~2回までにしておいたほうがよいでしょう。

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外耳炎

耳そうじの時、耳かきで強くさわりすぎると、外耳に傷がついて外耳炎となり、かゆみや痛みのもととなります。外耳炎は、耳そうじをしない人よりも頻繁に耳そうじをする人に多くみられます。

外耳炎の治療は、塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬で行いますが、耳の奥までかゆみや痛みがある場合は、点耳薬(耳の中に入れる液体の薬)を処方します。

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中耳炎

代表的な中耳炎としては、急性中耳炎滲出性中耳炎慢性中耳炎があります。

急性中耳炎

急性中耳炎は1歳~5歳ぐらいの小児に特に多い病気です。この時期に70%の小児が一度は中耳炎にかかると考えられています。
耳と鼻の奥とは耳管という管でつながっています。風邪をひいて鼻汁が増えた時などに、ウイルスや菌が、鼻→耳管→中耳へと入ることにより急性中耳炎が発症します。

急性中耳炎では、鼻をしっかりと治療することが大事です。高熱を伴う場合や、全身状態が悪い場合は抗生物質が必要となりますが、抗生物質の使いすぎは耐性菌(抗生物質が効かない新たな菌)の出現を招く可能性もあり、その使用には慎重を期す必要があります。

鼻汁の吸引治療を行い、鼻の調子がよくなれば、中耳炎も治癒に向かっていきます。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎も、小児に特に多い病気です。①耳管狭窄症がある場合と、②急性中耳炎が治りきらずに長引いた場合に起こります。中耳に水(滲出液)がたまった状態となり、耳がつまった感じで、聴こえが悪くなります。

ほとんどの場合は痛みが無いため、小児では発見されるまでに時間がかかることがあります。小児で「呼びかけに対しての反応が悪い」、「テレビの音量が大きい」、「機嫌が悪いことが多い」ときは、滲出性中耳炎の可能性があります。

小児期の中耳炎が放置されると、言葉の遅れや発音の異常が起こることがあり、また大人になって難聴を残すことがあります。滲出性中耳炎の小児では、鼻汁や鼻づまりを伴うことが多いため、急性中耳炎と同様に鼻をしっかりと治療することが大事です。

大人の滲出性中耳炎においては、稀に鼻の奥に腫瘍ができている可能性があるので、内視鏡(ファイバーカメラ)検査を行ったほうがよいでしょう。

鼻の治療、内服薬で、滲出性中耳炎の多くは治癒しますが、治りが悪い場合は別の対応が必要となります。

難治性の滲出性中耳炎への対応

難治性の滲出性中耳炎では、鼓膜切開(鼓膜に小さな穴を開けて、滲出液を吸引する治療)、鼓膜チューブ挿入といった外科的治療を行います。

小児では、アデノイド肥大(アデノイドは鼻の奥にある組織です)、扁桃肥大が滲出性中耳炎の原因となることも多く、アデノイド切除手術、扁桃摘出手術を考慮することもあります。

小児の鼓膜チューブ挿入、アデノイド切除手術、扁桃摘出手術については、全身麻酔が必要なことが多いため、近隣の総合病院に紹介しています(入院期間は、鼓膜チューブ挿入で日帰り~2泊3日程度、アデノイド切除で3泊4日程度、扁桃摘出で7泊8日程度です)。

長引く滲出性中耳炎であっても、滲出液が少量で、難聴もあまり認めない場合は、外科的治療は行わずに1~2ヶ月に1回程度の診察で経過観察をするケースもあります。

慢性中耳炎

急性中耳炎が治りきらずに長引くと、慢性中耳炎に移行することがあります。慢性中耳炎では、鼓膜に穴が開いており(鼓膜穿孔と言います)、体調の悪い時に耳だれを繰り返します。

鼓膜穿孔が大きい場合は、全身麻酔手術が必要となるため、希望の方には近隣の総合病院を紹介いたします。実際には手術までは希望されない方も多く、その場合は保存的治療(耳洗浄、内服薬、点耳薬など)で耳をできるだけ良い状態に保つようにします。

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